冬の韓国旅行ガイド:12〜2月の寒さ・雪・冬祭りと過ごし方

12〜2月の韓国はどのくらい寒い?気象庁の平年値で見る冬の天気、雪の多い江原道、2027年の冬祭りの日程、ソルラル連休の注意点、オンドルや冬の味覚まで。

発行:Haeva Korea · 2026年10月27日

冬の晴れた空の下、雪をまとった雪岳山の岩峰。オレンジ色の手すりと松のある登山道の展望所から
冬の晴れた空の下、雪をまとった雪岳山の岩峰。オレンジ色の手すりと松のある登山道の展望所から写真: Sohyeon Bak / CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

韓国旅行といえば春の桜か秋の紅葉、というイメージが強く、冬は候補から外されがちです。けれども12月から2月の韓国には、この季節ならではの楽しみ方があります。空気が澄んで晴れる日が多く、連休を外せば王宮などの定番スポットも落ち着いていて、江原道の山々は雪に覆われ、凍った川の上ではいくつもの冬祭りが開かれます。熱々の汁物や屋台のおやつがいちばんおいしく感じられるのも冬です。

ただし寒さは本物です。日本の太平洋側の冬に近い「乾いて晴れて風が冷たい」タイプの寒さで、どんよりした湿った寒さとは違います。この記事では、韓国気象庁(KMA)の平年値をもとにした実際の気候、ソウル・山間部・南海岸での違い、日程が発表されている冬祭り、スキー、スケート、旧正月(ソルラル)の連休、オンドル、冬の食べもの、PM2.5、そして凍った道で転ばないコツまでをまとめました。

韓国の冬の天気:実際どのくらい寒い?

まずは多くの旅の起点になるソウルから。韓国気象庁の1991〜2020年平年値では、ソウルでいちばん寒いのは1月で、月平均気温はマイナス1.9℃です。これは昼夜をならした平均なので、朝晩はもっと冷え込み、逆に風のない晴れた午後は意外と過ごしやすく感じます。冬の大きな特徴は乾燥で、12〜2月の3か月の降水量はソウルで合計67.6mm、年間の約5%しかありません。気象庁は春と冬を「比較的乾燥した季節」とし、平均の相対湿度は56%ほど。唇や手の乾燥ははっきり感じるはずです。

ソウルの初雪の平年日は11月20日ですが、市内に雪が積もるかどうかは年によります。雪景色が目的なら東へ向かいましょう。平昌郡と江陵市の境にある標高832mの高原・大関嶺(テグァルリョン)は、冬の平均気温がマイナス5.3℃、1月の平均最低気温はマイナス12.2℃。気象庁は、ここが韓国で毎年いちばん早く霜が降りる場所で、冬に雪が多いことからスキー場に適した条件がそろっていると説明しています。山に囲まれた高原都市・太白(テベク)も冬の平均気温はマイナス3.1℃です。

一方、山を越えて東海岸まで下りると様子が変わります。太白山脈の東側、日本海(韓国では東海)に面した江陵(カンヌン)では、冷たい北西の季節風が山を越えて吹き下りる際に暖まるフェーン現象が起き、冬の平均気温は2.3℃と氷点下になりません。南海岸の釜山は冬の平均が5.0℃です。同じ週のうちに、雪のゲレンデと日差しの明るい海辺の両方を歩ける国だと言えます。

  • 大関嶺(江原道の山地)132.5mm
  • 江陵(江原道の東海岸)131.1mm
  • 釜山117.6mm
  • 太白(江原道の山地)73.2mm
  • ソウル67.6mm
  • 鉄原(江原道の内陸)65.5mm
冬(12〜2月)の降水量、1991〜2020年平年値。東海岸と江原道の山地が多い出典: 韓国気象庁(KMA)天気ヌリ「地域別気候特性」(1991〜2020年平年値)

グラフを見ると、ソウルの冬が本当に乾いていること、そして江原道の山地や東海岸ではその約2倍の降水があり、標高の高い場所ではその多くが雪になることがわかります。北の境界に近い内陸の鉄原(チョルォン)はソウル並みに乾燥していますが、1月の平均最低気温はマイナス11.8℃とずっと冷え込みます。

12月・1月・2月、それぞれの特徴

月天気と注意点向いていること
12月ソウルは寒く乾燥。江原道の山では積雪が増えていく。日が短い。スキーシーズンの始まり(オープン日は各スキー場で確認)、街のイルミネーション、連休前の静かな王宮
1月いちばん寒い月。ソウルの月平均はマイナス1.9℃、大関嶺の平均最低気温はマイナス12.2℃。江原道の氷上祭り(華川は2027年1月9〜31日)、スキー、夜のチムジルバン
2月まだ寒いが、月末にかけてソウルは少し和らぐ。2027年のソルラルは2月7日。シーズン後半のスキーや雪祭り。ソルラル連休(2027年2月6〜9日)を避けて都市間移動を計画
シーズン全体12〜3月はほかの時期よりPM2.5の高濃度日が多い。長時間の屋外観光の前に、その日の大気質の等級を確認
韓国の12〜2月:月ごとの天気と、向いている過ごし方出典: 韓国気象庁 平年値(1991〜2020)、華川山川魚祭り公式サイトとVisitKorea、宇宙航空庁「2027年月暦要項」、エアコリア

服装:外は風対策、中は暖房対策

韓国観光公社(VisitKorea)は冬について「常に厚手のアウターを」と案内し、冬用ジャケット、手袋、マフラー、そして雪道用の滑りにくい靴を挙げています。ただ、韓国の建物の中はかなり暖かいので、ポイントは重ね着です。風を通さないコートの下は薄手にして、帽子と手袋は室内でポケットにしまえるものを。季節別の持ち物はすでに別の記事で詳しくまとめているので、冬のパートと、乾燥対策のリップクリームやハンドクリームなど忘れがちな小物は「韓国旅行の持ち物リスト」をご覧ください。

オンドル:床が暖かい理由

冬に韓国の家やゲストハウスに入って最初に気づくのは、暖房器具が見当たらないのに部屋が暖かいことかもしれません。熱は床から上がってきます。これが韓国の床暖房の伝統、オンドルです。国家遺産庁のデータベースでは「温突文化(オンドル文化)」が2018年4月30日指定の国家無形遺産として登録されており、英語名は「Ondol (Underfloor Heating)」です。

薪を積んだ焚き口の上に黒い鉄釜が二つ据えられた伝統的なかまどと、その横の黄色い床の部屋の入口
伝統的なオンドルの仕組み。台所のかまどで火を焚くと、その熱が隣の部屋の床下の煙道を通って部屋を暖める。仁川・月尾公園で撮影。写真: 四葉亭四迷 / CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

昔のオンドルでは、台所の焚き口で火を焚くと、ご飯を炊くと同時に熱い空気が隣の部屋の床下に組まれた石の通り道を抜け、煙突から出ていきました。だから韓国の暮らしは伝統的に床に近く、暖かい床の上に座り、食事をし、眠ります。今でも座敷席の食堂や、床に布団を敷くタイプのゲストハウスでその名残に出会えます。日本のこたつが「足元を温める」発想だとすれば、オンドルは「部屋の床全体を温める」発想です。

旅行者にとっての実用的なポイントは三つ。床が一段高くなっている所では靴を脱ぐこと。そこは誰かの暖かい生活空間です。床に寝る部屋では設定温度より体感がずっと暖かくなりがちなので、夜は上げるより下げる方向で調整すること。そして暖かい床と冷たく乾いた外気の組み合わせは肌に厳しいので、保湿用品を持っていくことです。

チムジルバン:街でいちばん暖かい場所

オンドルが家を暖める知恵なら、体の芯まで温まりに行く場所がチムジルバンです。浴場と、みんなが同じ館内着でくつろぐ高温の部屋がひとつになった施設で、凍える冬の夜こそ本領を発揮します。VisitKorea も冬の楽しみとして温泉、オンドル文化、温かい汁物を挙げています。日本の銭湯やスーパー銭湯に慣れていれば入りやすいものの、館内着や過ごし方には独特のルールがあります。初めてなら、下駄箱から汗蒸幕まで流れを説明した「はじめてのチムジルバン」を読んでから行くと安心です。

江原道でスキー・スノーボード

韓国のスキー場の多くは江原特別自治道にあります。VisitKorea は江原道を「雪が多いことで知られる地域」と紹介し、冬のスキー場特集では平昌、旌善、洪川、横城のスキー場と、ソウル近郊のスキー場を取り上げています。同じページによれば、韓国のスキー場は初心者から上級者まで対応するコースとリフト、レンタルショップを備え、ナイタースキーを行う所も多く、室内ウォーターパークやサウナを併設している所がほとんどです。グループの全員がスキーをしなくても過ごしやすい作りです。

VisitKorea の注意点も押さえておきましょう。ピークシーズンは12〜2月なので、宿泊とシャトルバスは早めの予約が勧められています。オープン日や営業コース数は天候と人工降雪の状況で変わるため、前年の日付を当てにせず、出発前に各スキー場の公式サイトで確認を。2025〜26年シーズンには、KTXの珍富(チンブ)駅から平昌の一部スキー場へ無料シャトルが運行されていたと VisitKorea に記載がありますが、今季も同じかは確認してから計画してください。江原道全体については当サイトの江原道ページ、高速鉄道の乗り方はKTXガイドが参考になります。

氷と雪の冬祭り

江原道の冬祭りは、凍った川と新雪を舞台にした、1月の韓国らしさが詰まったイベントです。日程は毎年変わり、氷の状態にも左右されるので、最終的には必ず公式サイトで確認してください。

低い冬の日差しの下、凍った広い川の上でそり遊びをする人々と、雪の残る山並み
1月の平昌マス祭りの氷上。凍った川は釣り場であると同時に、そり遊びの広場にもなる。写真: Christian Bolz / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

氷上祭りを快適に過ごすコツもいくつか。服装は「歩く」ためではなく「じっとしている」ための防寒を考えましょう。氷上釣りでは凍った川の上に1時間以上座っていることもあるので、おしゃれなコートより脚の重ね着と暖かいブーツが効きます。氷の上は主催者が安全を確認して開放した区域だけを歩くこと。週末は平日よりかなり混み合います。釣れた魚はその場で焼いてもらえる場所がたいてい用意されています。

ソウルでアイススケート

ソウルでいちばん知られた屋外リンクは、市庁前のソウル広場に毎冬ソウル市が設置するスケート場です。2004年に初めて開場し、19回目の冬となった2025〜26年シーズンは2025年12月19日〜2026年2月8日に運営され、スケート靴とヘルメットのレンタルが利用料に含まれていました。ソウル市は、屋外リンクのためPM2.5の警報などの大気汚染時や、雪・雨の日には運営を中止する場合があると案内しています。

2026年10月下旬の時点で、ソウル市は2026〜27年シーズンの運営をまだ発表していません。前シーズンは12月中旬の開場でしたが、旅程を組むのはソウル市が今季の日程を発表してからにしましょう。

ソルラル(旧正月)の連休

冬の旅程にいちばん大きく影響するのが、旧正月にあたるソルラルです。宇宙航空庁が発表した2027年の暦によると、ソルラルは2月7日(日)。週末と重なるため振替休日が加わり、2月6日(土)から9日(火)までの4連休になります。新年も1月1日から3日までが3連休です。

ソルラルは多くの人が故郷へ帰省する時期で、VisitKorea によれば連休中の移動は渋滞のため普段の2〜4倍かかることがあり、バスや列車の切符も取りにくくなります。日本のお正月の帰省ラッシュを想像するとわかりやすいでしょう。一方ソウル市内は静かになり、休業する飲食店や商店も多くなります。主要な王宮や国立公園、遊園地はおおむね開いており、2025年には大半の百貨店がソルラル前後に2日間休業したと VisitKorea は伝えています。旅程がソルラルにかかる場合は、都市間の列車を最優先で予約し、行きたい小さな店の営業日を確認し、連休中は一つの街に腰を落ち着けるのがおすすめです。

この日に食べるのが、薄切りの餅が入った澄んだスープ「トックク」。VisitKorea は、白い餅と澄んだスープが「清らかな気持ちで新年を始める」ことを表すと紹介しています。祝日の決まり方や振替休日のルールは、当サイトの祝日ガイドで解説しています。

寒い日に食べたい温かいもの

冬は韓国の屋台グルメがいちばん恋しくなる季節です。代表は、甘いあんこ入りの魚の形の焼き菓子「プンオパン」。日本のたい焼きによく似ていて、寒い時期に小さな屋台で焼きたてが売られます。黒砂糖の蜜がとろりと溶けた鉄板焼きのおやき「ホットク」も冬の定番で、最初のひと口は少し冷ましてから。串に刺した練り物を熱いだしに浸した「オムク」は、だしを紙コップで飲めるのも人気の理由です。

ガラスケースの奥で魚の形のプンオパンが焼かれ、ハングルの手書きの札が貼られた屋台と、丸いケランパンが並ぶ蒸し器
2015年2月に撮影された冬の屋台(札の値段は当時のもの)。プンオパン(魚の形のあんこ焼き)とケランパン(卵パン)を売っている。写真: 최광모 (Choi Kwang-mo) / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

しっかり食事をとるなら、スープや鍋ものを。ソルロンタンは牛骨を煮出した白濁スープで、塩気なしで出てくるので自分で味を調えます。豚肉と豆腐をキムチで煮込んだキムチチゲは、どこの食堂にもある日常の味。包丁で切った麺を熱いスープで食べるカルグクスや、餃子入りのスープ・マンドゥックも、寒い散策のあとにうれしい一杯です。それぞれの料理と食べ方は当サイトの料理ページで紹介しています。

PM2.5:冬から春にかけての注意点

冬は晴れて空気が澄んだ日も多い一方で、大気の状態には気を配りたい季節でもあります。政府の大気情報サービス「エアコリア」によると、12月から3月は1年のうちでPM2.5の高濃度が最も頻繁に起こる時期で、この期間のPM2.5の平均濃度は4〜11月より約45%高くなっています。政府は2019年から、この期間に排出削減を強化する「微細粉塵季節管理制」を実施しています。

旅行者にできるのは、その日の大気質の等級を確認することです。天気アプリや街の電光掲示板には、四つの韓国語のどれかで表示されます。各等級の意味は当サイトのPM2.5ガイドで説明しています。数値が悪い日は、長い山歩きや屋外の祭りを美術館や市場、チムジルバンに切り替え、屋外の予定は空気のきれいな日に回すと無理がありません。

凍った道と雪の山で気をつけること

旅行者に多い冬のけがは、凍傷よりも凍った歩道での転倒です。日の当たらない路地、地下鉄の出入口の階段、建物前のつるつるした石畳は、大通りの雪が片づいたあとも凍ったままのことがあります。いちばん効くのは滑りにくい靴底の靴。歩幅を小さくし、手はポケットから出しておき、階段では手すりを使いましょう。

山では天気が急に変わり、冬は日没も早くなります。秋なら気軽に歩ける登山道も、冬は凍結したり一部が通行止めになったりするので、出発前に国立公園の案内を確認し、雪の上を歩くなら軽アイゼンなどの滑り止めを持ち、引き返す判断は早めに。雪岳山の規則や通行止めについては「束草と雪岳山」の記事で詳しく紹介しています。困ったときは、日本語でも相談できる観光通訳案内電話1330(海外の携帯からは+82-2-1330)があり、緊急時の連絡先は当サイトの緊急時ガイドにまとめています。

冬の韓国は行く価値がある?

歩きやすい気候を求めるなら春と秋のほうが楽で、月ごとの比較は「韓国旅行のベストシーズン」の記事にまとめています。それでも、寒さへの備えさえできれば、冬にしかない体験があります。凍った川の祭り、山の本物の雪景色、連休を外した静かな王宮、そして一日の終わりの暖かい床と熱いスープ。ソルラルの日程を避けて計画し、祭りの公式サイトを確認し、大気質の等級に目を配れば、冬の韓国はきっと記憶に残る旅になります。

0 件のいいね

コメント

コメントするにはログインしてください。

ログイン ·アカウントをお持ちでない方は 新規登録

    まだコメントはありません。

    記事一覧 →