韓国旅行のベストシーズンはいつ?桜・梅雨・紅葉・冬と名節で選ぶ季節ガイド
桜と黄砂の春、梅雨「チャンマ」と台風の夏、紅葉の秋、乾いた冬。韓国気象庁の平年値と2027年の名節の日程をもとに、初めての韓国旅行に合う時期を月別に案内します。

「韓国旅行はいつ行くのがいちばんいいですか?」と韓国に住む人に聞くと、返ってくる答えはだいたい「春か秋」です。それは間違いではありません。ただ、韓国の四季は日本と同じくらい、いえ、それ以上にはっきりしていて、季節によって持っていく服も、列車の取りやすさも、旅の組み立て方もがらりと変わります。7月下旬の一週間と10月中旬の一週間では、まるで別の国に来たように感じるかもしれません。
この記事では、韓国で暮らす私たちの感覚で一年を順にたどります。桜と黄砂の短い春、「チャンマ(장마)」と呼ばれる梅雨と蒸し暑い夏、台風シーズン、多くの人がいちばん好きだという澄んだ秋、そして寒くて乾いた冬。さらに、天気以上に旅程に影響する二大名節、ソルラル(旧正月)とチュソク(秋夕)についてもまとめました。数字は韓国気象庁(KMA)などの公式資料で確認したもので、多くは初めての旅の起点になるソウルのものです。
ひと目でわかる韓国の一年
ソウルは季節による気温差がとても大きい街です。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、1月の平均気温はマイナス1.9℃、8月は26.1℃。年間の降水量は約1,418mmですが、その降り方にはかなりの偏りがあります。夏の3か月で年間の約63%が降り、冬の3か月はわずか約5%。下のグラフを見ると、両端が乾いていて真ん中にだけ雨の壁がそびえる、韓国の一年の形がよくわかります。
- 1月16.8mm
- 2月28.2mm
- 3月36.9mm
- 4月72.9mm
- 5月103.6mm
- 6月129.5mm
- 7月414.4mm
- 8月348.2mm
- 9月141.5mm
- 10月52.2mm
- 11月51.1mm
- 12月22.6mm
このグラフで覚えておきたいのは7月と8月です。ソウルではこの2か月だけで、残り10か月の合計より多くの雨が降ります。毎日雨という意味ではありませんが、夏は「予定を動かせるようにしておく季節」だと考えておくと安心です。
月別の目安:何がよくて、何に気をつけるか
下の表は一年の早見表です。気温は気象庁の平年値(1991〜2020年)によるソウルの月平均です。南の地方や海沿い、済州島は冬が比較的穏やかで、山間部はもっと冷え込みます。見どころは「例年の目安」で、暖かい3月なら桜が1週間以上早まることもあります。
| 月 | 体感・気温 | 見どころ | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 1月 | 一年でいちばん寒く乾燥。平均−1.9℃ | 冬晴れ、スキー、江原道の氷上釣り祭り | 冷たい風。ソルラルは1月下旬〜2月 |
| 2月 | 寒く乾燥。平均0.7℃ | 静かな古宮、運がよければ雪景色 | 2027年のソルラル連休は2月6〜9日 |
| 3月 | 寒さがゆるむが朝は冷える。平均6.1℃ | 春の花の咲きはじめ、人出は少なめ | 黄砂の日が出はじめる |
| 4月 | 穏やか。平均12.6℃ | 桜(ソウルの開花平年日は4月8日) | ソウルで黄砂がいちばん多い月。花見の週末は混雑 |
| 5月 | 暖かく新緑。平均18.2℃ | 日が長く、山歩きや屋外の食事に最適 | 5月1日・5日の祝日で週末が混むことも |
| 6月 | 暖かく、しだいに蒸し暑く。平均22.7℃ | 梅雨入り前の初夏 | チャンマは例年、月の後半に始まる |
| 7月 | 蒸し暑く、一年でいちばん雨が多い。平均25.3℃ | 博物館、カフェ、屋内のソウル | 激しいにわか雨。台風シーズンが本格化 |
| 8月 | 一年でいちばん暑い。平均26.1℃ | 海水浴、夏休み | 暑さと湿気。台風がいちばん多い月 |
| 9月 | 暖かく、空気が乾いてくる。平均21.6℃ | 晴れの日が戻る | 遅い台風。2027年のチュソクは9月14〜16日 |
| 10月 | さわやかな晴天。平均15.0℃ | 山の紅葉 | 紅葉の見ごろは山道が混雑 |
| 11月 | 涼しく、初霜。平均7.5℃ | 遅めの紅葉、静かな観光地 | ソウルの初雪の平年日は11月20日 |
| 12月 | 寒く乾燥。平均0.2℃ | 冬景色、スキーシーズンの始まり | 日が短く寒い。防寒はしっかりと |
春(3〜5月):桜と、ほこりっぽい日

韓国の春は短く、それも魅力のひとつです。3月はまだ冬の名残があって朝は冷え込み、木々も裸のまま。本格的な春は4月に入ってからで、5月には街が緑に包まれ、歩いて観光するのにいちばん気持ちのいい季節になります。気象庁の平年値では、ソウルの4月の平均気温は12.6℃、5月は18.2℃です。
日本の方にとってもおなじみのお花見シーズン。韓国気象庁は1922年からソウルの桜の開花を観測していて、ソウル気象観測所にある標準木の、任意の一枝に3輪以上の花が開いた日を「開花」としています。この仕組みは日本の桜の開花宣言とよく似ています。ソウルの開花の平年日は4月8日、満開は4月10日ごろ。ただし近年は早まる傾向で、公式の開花日は2021年が3月24日、2023年が3月25日、2024年が4月1日、2025年が4月4日でした。桜が旅の目的なら、3月下旬から4月中旬を目安に、前後に数日の余裕を持たせておくと安心です。
桜の名所は混みます。汝矣島(ヨイド)の川沿いの並木道のような有名スポットは週末になると人であふれるので、平日の朝に歩くのがおすすめです。小さな公園や大学のキャンパスにも美しい桜並木が多く、ずっと落ち着いて楽しめます。
春は黄砂の季節でもあります。韓国では「ファンサ(황사)」と呼ばれ、風で運ばれてくる細かな砂ぼこりで、空が1〜2日ほど黄色っぽくかすむことがあります。日本でも春に話題になるので、聞き覚えのある方も多いでしょう。ソウルの気象庁の観測では、1991〜2020年の平均で春に年7日ほど黄砂が観測され、そのうち最も多いのが4月。夏には一日も観測されていません。毎日の「微細粉塵(ミセモンジ)」の予報とは別のものですが、天気予報では一緒に伝えられることが多いです。対策はシンプルで、朝に大気の等級を確認し、屋内の予定をひとつ用意しておくこと。春の大半は晴れた日なので、黄砂を理由に春を避ける必要はありません。看板やアプリに出てくる4段階の等級は、Haevaの微細粉塵ガイドで説明しています。
初夏と梅雨(6〜7月):韓国の「チャンマ」
6月の前半は暖かく過ごしやすく、実は見落とされがちな旅行の好機です。そのあとにやって来るのが、韓国の梅雨「チャンマ」。日本の梅雨と同じように、夏の雨の帯が数週間にわたって朝鮮半島にとどまります。気象庁の梅雨の平年値では、梅雨入りは済州島が6月19日ごろ、南部が6月23日ごろ、ソウルを含む中部が6月25日ごろ。梅雨明けはそれぞれ7月20日、24日、26日ごろで、どの地域もおよそ1か月続きます。
チャンマといっても、毎日朝から晩まで降り続くわけではありません。どんよりと蒸し暑い日の合間に、1時間ほど土砂降りになってはまた止む、という不安定な天気が続きます。ソウルの7月の平均降水量は414.4mmで、一年でいちばん雨の多い月です。年による差も大きく、2020年には中部地方のチャンマが6月下旬から8月中旬まで54日間も続きました。
この時期に旅行する場合も、楽しみ方はいくらでもあります。予定は動かせるものを中心にして、折りたたみ傘を持ち歩き、博物館や市場、カフェ、回廊のある古宮など屋内の選択肢を用意しておきましょう。山歩きや島への移動は余裕を持たせ、天気予報は1週間前ではなく前の晩に確認するのがコツです。
真夏と台風シーズン(7〜9月)
梅雨が明けると本格的な夏です。ソウルでいちばん暑いのは8月で、平均気温は26.1℃、日中の最高気温の平均は30℃。湿度がいちばん高いのは7月です。夜も気温が下がりにくく、日本の夏と同じく寝苦しい日が続きます。韓国の人たちは海や涼しい渓谷へ出かけ、旅行者にとっては冷房の効いた地下鉄やカフェ、ショッピングモールがありがたく感じられる季節です。屋外の観光は朝と夕方に、日中は屋内で過ごすのが賢い回り方です。
夏の終わりは台風の季節でもあります。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、韓国に影響する台風は年に約3.4個で、そのほとんどが7〜9月に集中しています。月別の平均は7月が1.0個、8月が1.2個、9月が0.8個。数日間の強い風雨で通り過ぎることが多いものの、済州島や離島へのフェリーの欠航、飛行機の運休、登山道の閉鎖などにつながることがあります。この時期に旅をするなら、島で過ごす日は予定を動かせるようにしておき、気象庁の予報をこまめに確認しましょう。
秋(9〜11月):韓国の人がいちばん好きな季節

一年のうちいつでも選べるなら、いちばん失敗が少ないのは秋です。韓国の人自身も、この季節をいちばん好きだと言う人が多くいます。9月のうちに夏の湿気が抜けて空が澄み、10月はソウルの平均気温が15.0℃のさわやかな晴天が続きます。街歩きにも、山登りにも、外で一杯やるにも最高の季節です。
そして紅葉。韓国語で「タンプン(단풍)」と呼ばれる紅葉は、日本の紅葉狩りに負けないほどの国民的な行事で、見ごろの週末には登山道が人でいっぱいになります。気象庁は全国21の名山の紅葉を観測し、シーズン中は天気サイトで状況を公開しています。基準になるのが江原道の雪岳山(ソラクサン)。山全体の約20%が山頂から色づいた日を「紅葉の始まり」、約80%が色づいた日を「見ごろ」としていて、雪岳山の平年日は始まりが9月28日、見ごろが10月17日。一般に、見ごろは始まりから約20日後に訪れます。ほかの山や寺、街なかの公園はそれぞれの時期に色づくので、出かける前に最新の状況を確認しましょう。
秋の大きな落とし穴がチュソク(秋夕)です。9月から10月上旬にかけてのこの時期は、交通機関がたいへん混み合います(詳しくは後述)。11月は涼しく落ち着いた雰囲気になり、まだ紅葉が残っている場所も多くあります。ソウルの初霜の平年日は10月28日、初氷は11月3日なので、晩秋の夜には一枚多めに羽織るものを用意しておきましょう。
冬(12〜2月):寒くて乾いた、明るい季節

韓国の冬は寒いものの、どんよりした日はあまり多くありません。ソウルでいちばん寒い1月の平均気温はマイナス1.9℃、日最低気温の平均はマイナス5.5℃です。冬はとても乾燥していて、12〜2月の降水量は年間の約5%しかないため、晴れた日が続きます。旅行者がいちばん驚くのは風の冷たさ。日本の冬の感覚より一段しっかりした防寒を心がけ、厚手のコートに帽子と手袋を用意しましょう。室内は暖房がよく効いているので、脱ぎ着しやすい重ね着がおすすめです。
ソウルで雪が見られるかどうかは運次第です。初雪の平年日は11月20日ですが、古宮が真っ白になるほど積もるのはちょっとしたご褒美のようなもの。確実に雪を楽しみたいなら、スキー場のある江原道の山あいへ。冬の江原道はお祭りの季節でもあり、毎年1月に開かれる「華川(ファチョン)ヤマメ氷祭り」では、凍った川に開けた穴からヤマメ(サンチョノ)を釣る氷上釣りや、そり遊びが楽しめます。
冬のいいところは、ゆったり観光できることです。名節の時期を除けば大きな観光地も比較的すいていて、冷えた体で食べる熱々のスープは、韓国旅行の最高の楽しみのひとつです。
ソルラルとチュソク:いちばん気をつけたい二大名節
天気が旅の雰囲気を決めるなら、旅の段取りを左右するのはふたつの名節です。旧正月のソルラルと、秋の収穫を祝うチュソクは、どちらも公式には前日・当日・翌日の3日間の祝日。日本でいえばお正月とお盆がそれぞれ旧暦でやって来るようなもので、陰暦に従うため、毎年日付が変わります。ソルラルは1月下旬から2月、チュソクは9月から10月上旬のどこかに来ます。
2027年については、宇宙航空庁が発表した公式の月暦要項で、ソルラルは2月7日(日)。日曜日と重なるため振替休日がつき、連休は2月6日(土)から9日(火)までです。チュソクは2027年9月15日(水)で、連休は9月14日から16日までです。
名節には、大勢の人が実家へ帰省します。最初に売り切れるのが都市間の列車と高速バスで、ソウルから地方へ向かう道路は大渋滞します。家族経営の小さな食堂やお店は数日休むことがありますが、大型店やコンビニ、主要な観光地はたいてい営業しています。旅程がソルラルやチュソクに重なる場合は、都市間の移動をなにより先に予約し、行きたい小さなお店の営業日を確認し、名節の当日はひとつの都市でゆっくり過ごすのもおすすめです。住民の多くが帰省したソウルは、意外なほど静かで過ごしやすくなります。
日本のゴールデンウィークのような大型連休は韓国にはありませんが、5月初めには5月1日の労働節(2026年から祝日)と5月5日のこどもの日があり、年によっては連休になって国内旅行が増えます。祝日と振替休日の仕組みは、Haevaの祝日ガイドで詳しく説明しています。
結局、いつ行くのがいい?
初めての韓国旅行なら、おすすめは4月中旬〜6月上旬か、チュソクを避けた9月中旬〜11月上旬です。歩いて回るのに快適な気候で、晴れの日が多く、桜か紅葉というおまけもついてきます。ひとつだけ選ぶなら、韓国に住む人の多くは10月を挙げるでしょう。
とはいえ、悪い月というものはなく、季節ごとに違う旅があるだけです。冬は澄んだ寒さやスキー、すいた観光地が好きな人に。夏は暑さが平気な海好き・夜型の人に向いています。雨の時期を見越して計画すれば十分楽しめます。いつ行くにしても、平年値に頼りすぎず数日前に天気予報を確認し、毎日ひとつ屋内の予定を用意しておくこと。そして日程の近くに名節があるなら、列車は早めに予約しておきましょう。
コメント
コメントするにはメールアドレスの確認が必要です — ワンクリックで完了します。
まだコメントはありません。
