麗水(ヨス)旅行ガイド:梧桐島・海上ケーブルカー・夜の海を1泊2日で
ソウルからKTXで約3時間の港町・麗水。梧桐島、海上ケーブルカー、向日庵、夜の海とロマンポチャ、ケジャンやカッキムチまで、1泊2日のモデルプラン付きで紹介します。

麗水(ヨス)は、韓国南海岸の全羅南道エリアにある港町です。半島の先端に市街地があり、周りの海には大小の島が点在しています。韓国の人に麗水のイメージを聞くと、たいてい「夜の海」「海の幸」、そして1590年代にこの地に水軍の本拠を置いた李舜臣(イ・スンシン)将軍の名前が挙がります。ソウルからKTXで乗り換えなしで行けて、主な見どころが駅の近くにまとまっているので、1泊2日でも街の輪郭をつかめる旅先です。
この記事では、ソウルからの行き方、市が「麗水十景」として紹介している代表的な見どころ、名物料理、そして1泊2日のモデルプランをまとめました。事実関係は麗水市の公式観光サイトと運営者の公式ページで確認したもので、出典は記事の最後に並べています。営業時間や運行情報は変わることがあるので、出かける前にリンク先で最新の情報を確かめてください。
ソウルから麗水への行き方
いちばんわかりやすいのは鉄道です。全羅線のKTXがソウル方面から終点の麗水EXPO(ヨスエキスポ)駅まで走っています。市の公式サイトに載っている時刻表(2026年9月更新)では、龍山(ヨンサン)駅発の列車とソウル駅・幸信(ヘンシン)発の列車が混在しているので、切符を買うときは出発駅をよく確認しましょう。同じ時刻表で見ると、速いKTXは龍山から3時間あまり。ITXやムグンファ号などの在来線特急も走っていますが、こちらは5時間前後かかります。予約の仕方は下のKTXガイドで詳しく説明しています。
麗水EXPO駅は立地がよく、エキスポ会場の運営会社によると、駅前の横断歩道を渡ってまっすぐ歩けば会場まで徒歩5分ほどです。梧桐島(オドンド)や、そのそばにあるケーブルカー乗り場もすぐ先にあります。
高速バス・市外バスは麗水の総合バスターミナルに着きます。市の交通案内ページにはソウル発の時刻表そのものは載っておらず、ターミナルの案内と全国のバス予約サイト(KOBUS、BUSTAGO)へのリンクが置かれています。連休でKTXが満席のときの選択肢として覚えておくと便利です。
麗水には国内線の空港もあります。市の運航表では、2026年夏ダイヤで金浦(キンポ)〜麗水、済州〜麗水の便が毎日運航していました。ただし航空会社や便数、時刻はダイヤ改正のたびに変わるので、必ず最新の時刻表を確認してください。空港からは、ターミナル向かいの山谷(サンゴク)停留所から市内バス31・32・33・34・35・330番に乗り、東初等学校停留所で降りて徒歩13分ほどでエキスポ会場、とエキスポの運営会社が案内しています。
主な見どころの早見表
| 場所 | どんなところ | 行き方 | 時間・休み |
|---|---|---|---|
| 梧桐島(オドンド) | 椿の森と海沿いの遊歩道、灯台がある小さな島。長さ768mの防波堤で陸とつながる | 入口の駐車場から防波堤を歩いて約15分、または椿列車(トンベク列車) | 中央広場の音楽噴水は3〜10月 |
| 麗水海上ケーブルカー | 突山(トルサン)公園と紫山(チャサン)公園を結ぶ約1.5kmの海上ケーブルカー。床が透明のクリスタルキャビンもある | 突山島側の突山公園、または梧桐島の駐車タワー側から乗車 | 市のページに記載なし。運営会社で確認を |
| 向日庵(ヒャンイラム) | 突山島の南端、断崖に建つ寺院。日の出の名所として知られる | 市内バス111・111-1・116番で「荏浦(向日庵)」下車、急な石段を上る | 市のページに記載なし |
| 突山公園と突山大橋 | 色の変わる斜張橋を見下ろす丘の上の公園 | タクシーかバス、またはケーブルカーで突山側へ | 橋のライトアップは日没後 |
| 鍾浦海洋公園とロマンポチャ | 約1.5kmの海辺の遊歩道と、亀甲船大橋の下に並ぶ市公認の屋台 | 鍾和洞の海沿い。ナビ用住所はハメル路102 | ポチャは通年18:00〜翌1:00。毎月第1水曜休み(連休中と4〜6月・8〜10月を除く) |
| エキスポ海洋公園 | 2012年万博の会場跡。ビッグオーショー、スカイタワー、水族館など | 麗水EXPO駅から徒歩約5分 | 施設ごとに異なる |
| 鎮南館(チンナムグァン) | 李舜臣の水軍本営跡に1599年に建てられた国宝の建物 | 旧市街(東門路) | 長期の復元工事中で立ち入り制限あり。公式ページで要確認 |
梧桐島:椿の島と防波堤の散歩道
麗水といえば、まず思い浮かぶのが梧桐島です。遠くから見た島の形が桐(梧桐)の葉に似ていることからこの名がついたと、市は紹介しています。島全体が椿に覆われていて「椿の島」とも呼ばれ、閑麗海上国立公園の一部でもあります。陸とは長さ768mの防波堤でつながっていて、入口の駐車場から歩いて15分ほど。歩くのが大変なら、同じ道を走る小さな「椿列車」もあります。

島内には、市によると全長約2.5kmの森のトンネルのような遊歩道が巡っていて、岩場の海岸を眺めながら、頂上の白い梧桐島灯台まで上れます。椿の木はおよそ3,000本。咲き始めの時期は市の韓国語ページと英語ページで書き方が少し違うのですが、どちらも見ごろは3月としています。冬の終わりから春先にかけて、と考えておけば間違いありません。途中には細い竹(シヌデ)が茂るトンネルがあり、李舜臣将軍がここで竹を切って矢を作ったという言い伝えも紹介されています。
中央広場には亀甲船(コブクソン)と、朝鮮水軍の主力艦だった板屋船(パノクソン)の模型、それに音楽噴水があります。市の夜間ツアーの案内によると、音楽噴水が動くのは3月から10月。夜にもう一度来るつもりなら、この時期かどうかを確かめておきましょう。
麗水海上ケーブルカー
ケーブルカーは、突山島にある突山公園と、梧桐島入口そばの紫山公園のあいだ約1.5kmの海の上を結んでいます。市は、島と陸を海の上で結ぶ韓国初の海上ケーブルカーと紹介しています。キャビンは普通のものと、床が透明な「クリスタルキャビン」の2種類。両者の台数は市の韓国語ページと英語ページで数字が食い違っていますが、合計50台という点は共通です。足元が透けるのが苦手な方は、普通のキャビンを選べば大丈夫です。

路線は亀甲船大橋の横を通り、キャビンからは港や小島の将軍島(チャングンド)、エキスポ会場を見渡せます。乗り場は突山公園側と梧桐島の駐車タワー側の2か所。料金や運行時間は運営会社が決めていて市のページには載っていないので、当日は運営会社のサイトで確認してください。
向日庵:断崖に建つ日の出の寺
突山島の南の端、金鰲山(クモサン)の岩壁にしがみつくように建つのが向日庵です。市の案内では、観音菩薩を祀る韓国四大観音霊場のひとつ。新羅の善徳女王の時代に元暁(ウォンヒョ)大師が別の名前で開いたと伝えられ、1715年に「日に向かう庵」を意味する今の名前になりました。文禄・慶長の役(韓国では壬辰倭乱)の際には、ここを拠点にした僧たちが李舜臣を助けたとも記されています。2009年12月の火災で多くの建物が焼けましたが、その後再建されています。
お参りには少し体力が要ります。市のページによると、駐車場からは急な石段が続き、途中には身をかがめないと通れない狭い岩の門もあります。歩きやすい靴で、時間に余裕をもって出かけましょう。韓国では元日の初日の出の場所として人気が高く、市は毎年「向日庵日の出祭」を開いています。断崖からは海に沈む夕日も見られます。

公共交通なら、市内バス111番・111-1番・116番で「荏浦(イムポ、向日庵)」停留所へ。麗水EXPO駅の停留所から出る111番・111-1番は早朝の数本だけで、市外バスターミナルの停留所発のほうが本数は多くなっています。駅から2番バスに乗り、西橋洞(ソギョドン)カトリック聖堂の停留所で111番に乗り換える方法も市のページに載っています。時刻は変わることがあるので、出発前に市の向日庵のページで最新の時刻表を見てください。
麗水の夜:突山大橋、鍾浦、ロマンポチャ
市の公式ページの「麗水の夜の海」の紹介は、韓国でよく知られたヒット曲「麗水の夜の海」の歌詞の引用から始まります。実際には、入り組んだ海岸線のおかげで、橋や港、丘の上の明かりがあちこちの角度から水面に映るのが麗水の夜の特徴です。眺めのいい場所の多くは旧市街のすぐ近くにあります。
突山大橋は1984年12月に完成した長さ450mの斜張橋で、本土と突山島を結んでいます。2000年10月からは夜になると色が変わる照明がともるようになりました。定番の眺めは、島側の丘にある突山公園から。亀甲船大橋も同時に見渡せます。橋の下に浮かぶ小島・将軍島には、1497年に倭寇に備えて海中に石垣が築かれたと市は紹介しています。

海をはさんだ対岸、鍾和洞(チョンファドン)の鍾浦(チョンポ)海洋公園は、約1.5kmの海辺の遊歩道です。防波堤沿いにベンチが並び、ハメル灯台やケーブルカー、2本の橋、将軍島が一望できます。その先、亀甲船大橋の下の広場にあるのが「ロマンポチャ(낭만포차)」。市の認可を受けた18軒の屋台が並びます。市のページによると、営業は通年18:00〜翌1:00、支払いはカードが原則。毎月第1水曜日が定休日ですが、連休にかかる場合と4〜6月・8〜10月は営業します。強風などの気象注意報以上が出たときも休みになります。メニューは海鮮料理が中心です。
自分で夜の予定を組むのが面倒なら、市の夜景ツアーバスもあります。麗水EXPO駅を19:30(11〜2月は19:00)に出発し、梧桐島、夜景スポットとして市が紹介している国家産業団地の展望ポイント、南山公園を回っておよそ2時間。事前予約がすすめられています。
エキスポ海洋公園と2026年の島の博覧会
麗水は2012年に国際博覧会(麗水万博)を開いた街で、駅の隣の海沿いの会場跡は今は公園になっています。市が見どころとして挙げるのは、水のスクリーンや噴水、レーザー、照明を組み合わせたマルチメディアショー「ビッグオー(Big-O)」、古いセメントサイロを改装して大きなパイプオルガンを備えた高さ67mの展望台「スカイタワー」、そして水族館です。施設ごとに営業時間が違うので、運営会社のページで確認してください。
2026年秋には「2026麗水世界島博覧会(World Island Fair Yeosu Korea)」が9月5日から11月4日まで開かれています。会場は突山の鎮毛(チンモ)地区、蓋島(ケド)と金鰲島(クモド)、そしてエキスポ海洋公園。日程が重なる場合は、ふだんよりイベントも人出も多いと考えておきましょう。
李舜臣ゆかりの地と鎮南館
李舜臣は、文禄の役が始まる前年の1591年に全羅左水使として麗水に赴任し、市によると1598年までの8年間をこの地を拠点に過ごしました。市は麗水を「亀甲船が初めて出撃した場所」と紹介しています。旧港の李舜臣広場には将軍の銅像と、2014年に完成した全長35.3m・2層構造の実物大の亀甲船の復元船があります。
同じ旧市街にあるのが、国宝の鎮南館です。将軍の本営跡に1599年に建てられ、1718年に再建されました。正面15間という規模で、市は現存する地方官衙の建物として最大級だと紹介しています。ただし長期にわたる復元工事が続いていて、市のページには立ち入り制限の告知が載ったまま、日付も工事の進み具合に追いついていません。予定に組み込む前に、公式ページか観光通訳案内の1330で最新の状況を確認してください。ほかにも、将軍が水軍の訓練を指揮したと伝わる高所台(コソデ)や、1601年に建てられた李舜臣を祀る祠堂・忠愍祠(チュンミンサ)など、ゆかりの場所が市内に残っています。
麗水で食べたいもの
麗水市は「麗水十味」として名物料理を10品挙げています。旅行者が見つけやすいのはそのうち2つ。ひとつはケジャン定食(ケジャンペッパン)です。生のカニを漬け込んだ料理で、甘辛いヤンニョムケジャン、醤油に漬けたカンジャンケジャン、味噌(テンジャン)で味をつけたものなどがあり、地元の固い殻の「イシガニ(トルゲ)」もよく使われると市は説明しています。甲殻類アレルギーのある方はこの料理は避けてください。伝え方は下の食物アレルギーガイドにまとめています。

もうひとつは突山カッキムチ。突山島で育つカラシナの一種「突山カッ」を使ったキムチです。市の説明によると、この品種は1954年に日本の高菜系の品種が持ち込まれたのが始まりで、1984年に突山大橋ができて市場へ出荷しやすくなってから全国に知られるようになりました。2010年には地理的表示にも登録されています。ニンニク、ショウガ、唐辛子、イワシの魚醤などで漬け込み、ツンとくる辛みが特徴。日本の高菜漬けと食べ比べてみるのもおもしろいでしょう。市によると、突山に近づくにつれて「突山カッキムチ」の看板が目に見えて増えていくそうです。
十味にはほかに、ウナギの焼き物やスープ、タチウオの煮付け(カルチジョリム)、シタビラメの和え物(ソデフェ)、焼きガキ、韓定食などが入っています。値段は店や季節によって違うので、この記事では載せていません。
1泊2日のモデルプラン
| 時間帯 | プラン | ポイント |
|---|---|---|
| 1日目 午前 | ソウルまたは龍山からKTXで麗水EXPO駅へ | 荷物は先にホテルへ |
| 1日目 昼 | エキスポ海洋公園から歩いて梧桐島へ | 防波堤は入口の駐車場から徒歩約15分 |
| 1日目 夕方 | 梧桐島側からケーブルカーで突山公園へ | 日没前に乗ると、昼の港と明かりがつく様子の両方が見られる |
| 1日目 夜 | 突山公園の夜景、鍾浦海洋公園で夕食 | ロマンポチャは18:00から。夜景ツアーバスも選択肢 |
| 2日目 早朝 | バスで向日庵へ | 急な石段あり。バス移動と参拝で午前中の大半を使うつもりで |
| 2日目 昼 | ケジャン定食の昼食、李舜臣広場 | 鎮南館の公開状況は事前に確認 |
| 2日目 午後 | KTXでソウルへ | 週末は帰りの切符も早めに予約 |
麗水は南海岸を巡る長めの旅に組み込むのにも向いています。順天湾(スンチョンマン)や宝城(ポソン)の茶畑も同じ地域にあり、全羅南道の地域ページで紹介しています。街歩きのお供には、主なエリアと地元の情報を1冊にまとめたPDFガイド『麗水、街の案内』もどうぞ。
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