韓国旅行のお金事情:現金・カード・交通カードの使い分け

韓国ではどこでカードが使えて、どこで現金が必要?ウォンの手に入れ方、T-moneyのチャージ、チップや割り勘の考え方まで、韓国在住の目線でまとめました。

発行:Haeva Korea · 2026年10月17日

ソウル・広蔵市場の中、万国旗の下に色とりどりの看板を掲げた食べ物の店が並び、大勢の人が行き交う
ソウル・広蔵市場の中、万国旗の下に色とりどりの看板を掲げた食べ物の店が並び、大勢の人が行き交う写真: Bgag / CC0, via Wikimedia Commons

初めての韓国旅行で意外と迷うのが、お金の準備です。「現金はどのくらい持っていけばいい?」「日本のクレジットカードはちゃんと使える?」「交通カードはSuicaみたいなもの?」。結論から言うと、韓国の都市部ではほとんどの支払いがカードで済みます。コンビニのコーヒー一杯からデパートの買い物まで、カードを出せば大抵どうにかなります。ただし、伝統市場の屋台や小さな露店など、今も現金が頼りになる場面がいくつか残っています。そして、そういう場所ほど旅の思い出になる、というのがやっかいなところです。

この記事では、韓国で暮らし、毎日ここで支払いをしている私たちの目線から、カードが使える場所と使えないかもしれない場所、ウォンの手に入れ方、交通カードの仕組み、チップや割り勘の考え方、そしてトラブルを避けるちょっとしたコツをまとめました。ルールや数字、日付は、韓国の政府機関や観光公社の公式ページで確認できたものだけを載せています(出典は記事の最後にあります)。公式に確認できなかったことは、推測で書かずに省きました。

まずはこれだけ:場面別の早見表

場面カード現金チップ
コンビニ・チェーンのカフェ・デパートほぼ使える使える不要
レストラン(座って食べる店)ほぼ使える。会計はレジで使える不要。高級店は伝票にサービス料が入ることも
伝統市場の店使える店もある。現金のみの店も小額紙幣があると安心不要
屋台・露店現金のみのことが多い小額紙幣と硬貨を不要
タクシー多くはカードか交通カードでOK使える不要。おつりを受け取らないと喜ばれる
地下鉄・市内バス海外カードを直接タッチはできない。交通カードで乗る交通カードのチャージに使う―
T-moneyのチャージ基本的に使えないいちばん簡単―
ソウルの気候同行カード短期券1〜8号線の新しい券売機で使える(2026年3月17日から)使える―
大型ホテル使える使える不要。伝票にサービス料が入ることも
初めての旅行者がよく出会う場面の目安。決まりではなく傾向で、お店によって違います。出典: VisitKorea(韓国観光公社)、Visit Seoul(ソウル観光財団)、ソウル特別市

カード:使える場所と、使えないかもしれない場所

韓国は、カードだけで旅しやすい国のひとつです。韓国観光公社の公式ショッピングガイドには、韓国のほとんどのお店で、Visa、Mastercard、JCB、アメックスなどの海外クレジットカードが金額に関係なく使えると書かれています。JCBの名前がきちんと挙がっているのは、日本の方には心強いところでしょう。水1本をカードで買っても、嫌な顔をされることはまずありません。チェーンのカフェ、コンビニ、スーパー、映画館、博物館、都市部のほとんどの飲食店では、カード払いがごく当たり前です。

支払いはテーブルではなくレジで済ませるのが基本です。食堂なら、食べ終わったら伝票を持って入口近くのレジへ。お店ではカードを手渡すか自分で差し込み、画面の指示に従います。カードや現金を両手で渡すのは、韓国の人がさりげなく見ている小さな礼儀です。日本の方なら、意識しなくても自然にできているかもしれません。

同じ観光公社のページは、例外についても正直に書いています。伝統市場や路上の店など、現金しか受け付けないところもあるので、出かける前に少し現金を用意しておくように、という案内です。これは私たちが毎週見ている光景そのものです。有名な市場の新しいお店にはカード端末が置いてあっても、三列奥で野菜を売っているおばあさんの店にはないかもしれません。意地悪をしているわけではなく、小さな家族経営の商いが昔からそうだというだけです。

出発前にやっておきたいことが二つあります。ひとつは、カード会社に海外旅行の予定を伝えておくこと。ソウルで最初の支払いが不正利用を疑われて止まる、という事態を避けられます。もうひとつは、国際ブランドの違うカードを2枚持っていくこと。どちらも韓国の決まりではありませんが、旅先の夜を一つ救ってくれる準備です。

現金が今も頼りになる場面

ソウル・南大門市場のにぎやかな通りで、揚げ物を並べ、手書きの値札を掲げた屋台
ソウルの南大門市場の屋台。こうした屋台や市場の店では、小額の紙幣が数枚あるといちばん楽です。写真: LinasD / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

韓国での現金は「毎日使うもの」ではなく、「いくつかの場面のために持っておくもの」と考えるとちょうどいいです。よくあるのは、伝統市場、屋台、ごく小さな家族経営の食堂、そして店主が現金を好む昔ながらのお店。どれも決まりではありません。カードが使える市場の店も増えていますし、使えない屋台もたくさんあります。気をつけたいのは、品物を包み始める前に聞いておくこと。「カドゥ トェナヨ?(カードは使えますか)」と聞いて首を横に振られても、失礼なことは何もありません。現金でお願いします、という意味です。

タクシーは、心配するほどではありません。韓国観光公社のタクシー案内によると、支払いは現金、クレジットカード、交通カードのいずれも使え、ほとんどのタクシーはメーター制でチップも不要です。とはいえ、カード端末の調子が悪いこともまれにあるので、紙幣を数枚持っておくと安心です。そういうことは、なぜか決まって夜遅くに起こります。

韓国のお金は、紙幣が1,000ウォン、5,000ウォン、10,000ウォン、50,000ウォンの4種類、硬貨は10、50、100、500ウォンです。Visit Seoulによると1ウォンと5ウォンの硬貨もありますが、ほとんど流通していないので、まず目にすることはないでしょう。旅行中に大事にしたいのは1,000ウォン札と5,000ウォン札です。おでん1本を50,000ウォン札で払うこともできなくはありませんが、屋台のおつり箱を空にしかねず、相手の表情でそれがわかります。

ウォンを手に入れる:ATMと両替

ソウルの銀行の緑色のブースに置かれたATM。画面に「Global ATM」の表示とカードブランドのロゴがある
ソウルの銀行のATM。機械や画面に「Global」の表示や、自分のカードのブランドロゴがあるかを確かめましょう。写真: Lofor / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

ウォンをいちばん手軽に手に入れる方法は、たいていATMです。ソウル市の公式観光サイトVisit Seoulによると、海外カードが使えるATMは珍しくなく、「Global」の表示や対応するカードブランドのロゴが目印です。多くのATMは英語・中国語・日本語のメニューに対応しているので、日本語画面で操作できるのはうれしいところです。銀行の支店や地下鉄の駅、繁華街で見つかります。同じページによると、ATMはだいたい23時まで、24時間使えるところも多い一方、コンビニのATMは手数料が高めのことが多いそうです。日本側のカード会社や銀行の手数料もかかるので、出発前に確認しておくと安心です。

日本円の現金を持っていって両替するのも簡単です。Visit Seoulによると、両替レートはたいてい銀行がいちばん良く、銀行の営業時間はおおむね9時から16時。その時間外は、外国人旅行者の多いエリアにある政府認定の両替所が使えます。「Certified」という文字と通貨記号の看板が目印で、公式ページは「認定されていない両替所は避けるように」とはっきり書いています。

仁川国際空港の両替所は、韓国観光公社によると基本的に6時から22時の営業で、24時間開いているところもあります(ページの最終更新は2026年9月11日)。到着時には交通カードのチャージと市場でのお昼ごはんくらいの金額だけ両替して、残りは市内で、というのが気楽な流れです。レートや手数料は日々変わり、窓口によっても違うので、この記事には載せていません。

交通カード:T-moneyはSuicaのようなもの

ソウル地下鉄4号線・明洞駅の改札。上には切符・カードチャージ機の方向を示す案内がある
明洞駅の改札。上の案内は切符販売・カードチャージ機の場所を示しています。改札では交通カードを読み取り部分にタッチします。写真: LERK / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

海外のカードがそのままでは使えない、数少ない場面がここです。ソウルの地下鉄の改札やバスの読み取り機に、手持ちのタッチ決済カードをかざして乗ることは、まだできません。ソウル市は2025年10月、海外カードを直接使える方式(オープンループ)へ2025年から2030年にかけて段階的に移行すると発表しています。それまでは、プリペイド式の交通カードで乗ります。

代表的なのがT-moneyです。日本のSuicaやPASMOと同じ、先にお金を入れてからタッチする交通系ICカードだと思えばわかりやすいでしょう。韓国観光公社によると、全国のコンビニや、ソウル地下鉄1〜8号線の駅の案内センターで買え、チャージはコンビニか駅の券売機でできます。公共交通機関のほか、タクシーや、T-moneyのロゴがあるお店でも使えます。

チャージで現金が活躍します。2025年10月の発表の中で、ソウル市自身が「旅行者は今も交通カードの購入やチャージを現金でしなければならない」と認めていました。2026年3月17日からは、1〜8号線の273駅に設置された440台の新しい券売機で海外発行のクレジットカード・デビットカードが使えるようになりましたが、ソウル市によると対象は気候同行カードの購入と短期券のチャージ、そして1回用乗車券の購入です。ふつうのT-moneyのチャージは、コンビニのレジか駅の券売機で1万ウォン札を数枚、というのが今もいちばん簡単です。なお、Androidの方は海外カードでチャージできるT-moneyのアプリがあるとソウル市が2025年に案内していますが、iPhone向けの同様のサービスは公式ページで確認できなかったため、あてにしない方がよいと考えています。

あとで困らないための小さなコツが二つあります。バスは乗るときだけでなく降りるときもタッチすること。運賃と乗り換え割引がそれで決まるからで、詳しくは交通ガイドで説明しています。そして、チャージしすぎないこと。韓国観光公社によると、残高が5万ウォンを超える払い戻しはソウル駅近くのT-moneyの窓口でしかできないので、使う分だけ入れておくのが賢明です。

ソウルの「気候同行カード」短期券

ソウル市内で地下鉄やバスをたくさん使うなら、ソウル市の気候同行カード(Climate Card)の短期券という選択肢があります。1日、2日、3日、5日、7日の券があり、期間中はソウルの地下鉄とソウル市認可のバスが乗り放題です。ソウル市によると、2026年10月1日からの短期券の利用範囲は「ソウル市内」と「仁川国際空港で降りる移動」で、以前は含まれていた京畿道の周辺都市は対象外になりました。市の公式ページには、新盆唐線や市外バス・空港バスも対象外と書かれていて、範囲外の駅で降りると駅員が運賃を精算します。空港鉄道は仁川空港第1・第2ターミナルで降りることはできますが、そこから乗ることはできません。

細かい条件も押さえておきましょう。短期券はチャージした日から有効になるので、前もってチャージしておくことはできません。月曜日にチャージした1日券は、月曜日の最終バス・最終電車までです。カード本体は短期券とは別に買う必要があります。2026年3月17日からは新しい券売機で海外カードでの購入・チャージができ、ソウル市によると平均で約3.7%の手数料がかかります。降車時のタッチを2回忘れると、24時間利用できなくなります。また、2026年9月に始まった「気候パス」はソウル在住者向けの別の制度で、旅行者用ではありません。このカードの仕組みは2026年に何度も変わっているので、旅行の直前にソウル市の公式ページを確認してください。

旅行者向けプリペイドカードとスマホ決済

韓国観光公社は、外国人旅行者専用のプリペイドカードも紹介しています。たとえばWOWPASSは、パスポートを提示して購入し、専用のキオスクでウォンのほか日本円や米ドルなどの外貨をチャージでき、交通カードとしても、加盟店での支払いにも使えるカードです。合うかどうかは旅のスタイル次第で、ふつうのT-moneyと手持ちのクレジットカードの組み合わせでも、たいていの旅行は十分まかなえます。

韓国のスマホ決済や多くのアプリは、事情が違います。基本的に韓国の電話番号と、韓国で発行されたカードを前提に作られているからです。韓国観光公社もタクシーアプリについて、登録に韓国の電話番号が必要だったり、韓国発行のカードしか使えなかったりするアプリがあると説明したうえで、海外カードが使える外国人旅行者向けのタクシーアプリを案内しています。登録画面で韓国の住民番号や韓国の銀行カードを求められたら、そのアプリは短期旅行者向けではないということ。こちらが何か間違えたわけではありません。

チップ、サービス料、割り勘

「韓国ではチップは必要なく、期待もされていません」— 韓国観光公社(VisitKorea)

韓国観光公社のこの一文が、チップについてのすべてです。メニューの値段が支払う金額で、テーブルに小銭を置いていくと、喜ばれるより忘れ物だと思った店員さんに追いかけられる可能性の方が高いくらいです。日本と同じ感覚でいて大丈夫です。Visit Seoulはさらに二つ補足しています。大型ホテルや高級レストランの多くは、付加価値税とは別に10%のサービス料を伝票に加えていること。そしてタクシー運転手はチップを期待していないけれど、おつりをそのまま受け取ってもらうと喜ぶ、ということです。

割り勘は、日本と少し勝手が違います。支払いがレジで行われるので、テーブル全員分を一人がまとめて払い、あとで精算する、というのが韓国の友人同士や同僚の間ではよくあるやり方です。別々に払いたいときは、レジでそう伝えれば通じることが多いですが、レジの人が全員分を打ち込む前に言うのがコツです。昼どきの混んだ店なら、一人がまとめて払い、あとで現金などで精算する方が、後ろに並ぶ人にもやさしい選択です。

免税(タックスリファンド)はひとことで

韓国では多くの買い物に10%の付加価値税が含まれていて、外国人旅行者は「Tax Free」の表示があるお店での買い物について、その一部を払い戻してもらえます。Visit Seoulの説明によると、基本的な流れは、支払いのときにパスポートを見せ、お店で受け取った書類を保管し、出国時に税関で品物と一緒に提示する、というものです。その場で税額分を差し引いてくれる即時還付もあります。三つの手順と上限、そして品物を税関で見せるまで機内持ち込みの荷物に入れておくべき理由は、免税ガイドで詳しく説明しています。

避けたいトラブルとうっかりミス

韓国はお金のことで神経をすり減らさずに済む国で、起きる問題の多くは犯罪というよりちょっとしたミスです。次の習慣でほとんどカバーできます。

初めての韓国旅行、お金の段取り

この段取りさえ押さえれば、旅の途中でお金のことを考える時間はぐっと減ります。改札でタッチして、レジで払って、チップは置かない。本当に必要な現金は、市場でいちばんおいしいホットクを買うための数枚の紙幣くらいです。

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