子連れ韓国旅行ガイド:地下鉄・KTXの子ども運賃から博物館、食事まで

ソウルの地下鉄とKTXの子ども運賃、辛くない韓国料理、無料のこども博物館、漢江の公園、微細粉塵や急な体調不良への備えまで。子連れで韓国を旅する家族のための実用ガイドです。

発行:Haeva Korea · 2026年10月19日

ソウルの国立民俗博物館こども博物館。芝生の向こうに楼閣風の建物がそびえ、手前にカラフルなマスコット像が三体立っている
ソウルの国立民俗博物館こども博物館。芝生の向こうに楼閣風の建物がそびえ、手前にカラフルなマスコット像が三体立っている写真: DtSeoul / CC0, via Wikimedia Commons

子連れの海外旅行先として、韓国は近くて行きやすい国のひとつです。治安がよく清潔なのはもちろん、地下鉄は本数が多く運賃も安め、食事はすぐに出てきてみんなで取り分けられ、ソウル中心部の二つの国立博物館には子ども専用の展示空間が無料で用意されています。子連れ旅で困るのは、危険よりも細かな段取りのほうです。何歳から運賃がかかるのか、どの博物館が韓国語での事前予約を必要とするのか、唐辛子を気にせず頼める料理はどれか、乗り換え通路を5歳の子がどこまで歩けるのか。この記事ではそうした実際的なところをまとめました。

書いているのはソウルで暮らす私たちです。運賃・年齢区分・予約のルールなど数字の入る情報は、2026年10月に運営会社や博物館の公式ページで確認しました。制度は変わることがあるので、当日の予定を左右するものだけは出発前にもう一度確かめてください。

まずは年齢別の早見表

年齢楽しみやすいこと計画で気をつけたいこと
0〜2歳ベビーカーで川沿いを散歩、国立中央博物館の無料ベビーカー貸し出し、ソウル交通公社の多くの駅にある授乳室エレベーターのない出口、ラッシュ時の電車、飲食禁止の展示室
3〜5歳ソウルの地下鉄は無料(大人1人につき3人まで)、KTXも座席を使わなければ大人1人につき1人無料。公園や屋外の遊び場こども博物館はオンライン予約制。国立中央博物館のものは主に5〜9歳向けで、5歳未満は大人が常に付き添う
6〜12歳地下鉄はこども運賃、KTXは50%割引。体験型のこども博物館、屋外での伝統遊び長時間の王宮・市場歩き、辛さが主役の料理
13〜18歳ソウルの地下鉄は青少年運賃。漢江のサイクリングロード、博物館の本館展示KTXは13歳から大人運賃。本人のペースで過ごせる時間も
年齢ごとに楽しみやすいことと、気をつけたいこと出典: ソウル交通公社、韓国鉄道公社(コレイル)、国立中央博物館、国立民俗博物館(2026年10月確認)

表のなかで特に覚えておきたいのは二つです。ひとつは、ソウルの地下鉄とKTXで年齢の区切りが同じこと。6歳未満は無料、6〜12歳が子ども扱いです。日本の「小学生はこども運賃」に近い感覚ですが、韓国では「満13歳未満」が区切りになります。もうひとつは、ソウルでいちばん子どもが喜ぶ施設の多くが、無料の代わりにオンライン予約制で、ときには韓国語のみだということ。この部分の準備は、現地に着いてからではなく出発前に済ませておくのがおすすめです。

ソウルの地下鉄で移動する

ソウル交通公社の運賃制度は、小さな子ども連れにやさしい作りです。6歳未満の幼児は、保護者1人につき3人まで無料で、4人目からはこども運賃がかかります。6歳から12歳まではこども運賃、13歳から18歳は青少年運賃です。2026年10月時点の交通カードの基本運賃(10km以内)は、大人1,550ウォン、青少年900ウォン、こども550ウォン。家族で一日乗り回しても、子どもの分はそれほど増えません。

注意したいのは、運賃が「乗る人」ではなく「タッチするカードや切符の種類」で決まることです。お子さんが6歳以上なら、初日に駅の顧客案内センターに立ち寄り、使うカードや切符でこども運賃を払う方法を聞いておきましょう。一度数分かかるだけで、旅行中ずっと大人運賃を払い続けずに済みます。

ベビーカーでの地下鉄移動も、少し下調べすれば問題ありません。駅にはエレベーターがありますが、すべての出口にあるとは限らず、大きな乗換駅では長い通路を歩くこともあります。ホームやコンコースで「엘리베이터(エレベーター)」の表示を探し、改札近くの構内図でエレベーターのある出口を確かめてから地上に出ると安心です。朝夕のラッシュ時は車内が身動きできないほど混むので、ベビーカーならこの時間帯は避けるのが無難です。

ソウルの地下鉄のホーム。天井の案内板がエレベーターの方向を示し、タイル張りの柱の横にエレベーターの扉がある
4号線ミアサゴリ駅のホーム。天井の案内板の矢印がエレベーターを示しています。ベビーカーならこのルートで。写真: LERK / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

車両の両端には優先席があり、ソウル交通公社のマナー案内でも、妊婦や子ども連れ、体の不自由な人に席を譲るよう呼びかけています。揺れる車内で幼い子を抱いているなら、座るのがいちばん安全です。遠慮する必要はありません。

赤ちゃん連れには、ソウル交通公社が数十の駅の顧客案内センター内に設けている授乳室が心強い存在です。公式の説明によると、ベビーベッドやソファが備えられ、授乳だけでなく赤ちゃんのお世話が必要なときにいつでも使えます。ソウル駅、市庁、光化門、梨泰院、合井、江南、蚕室、子ども大公園など、旅行者がよく通る駅も多く含まれています。

KTXに子どもと乗る

韓国鉄道公社(コレイル)の割引も、地下鉄と同じ考え方です。6歳以上13歳未満の子どもは運賃が50%割引。6歳未満の幼児は、座席を指定しなければ大人1人につき1人まで無料で一緒に乗れます。幼児にも座席を確保したい場合や、大人の人数より幼児が多い場合は、運賃75%割引の幼児乗車券を買います。なお、これらの公共割引はネット特価などの営業割引とは重ねられません。

駅のホームに停車している白と青のKTX-山川(サンチョン)の高速列車
駅に停車中のKTX-山川。KTXでは6〜12歳の子どもは半額で乗れます。写真: Minseong Kim / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

親として悩むのは、ひざの上で過ごせるかどうかでしょう。短い区間なら十分いけますが、長めの移動なら75%割引で一席確保したほうが、親子ともに楽なことが多いはずです。週末や祝日は人気の列車から売り切れるので早めの予約を。家族がばらばらの席になると、移動時間がとても長く感じられます。予約の流れはKTXガイドで詳しく説明しています。

子どもが食べやすい韓国料理

韓国料理は辛いというイメージがありますが、日常の食事には辛くないものもたくさんあります。いちばん頼りになるのはスープ類です。カルビタンは牛カルビの澄んだスープに春雨入り、ソルロンタンは牛骨を煮出した白いスープで、塩味をつけずに出てくるので自分で調整できます。サムゲタンは若鶏一羽にもち米を詰めたもの、マンドゥックは澄んだ牛だしの餃子スープです。甘い醤油だれのプルコギ、のり巻きのキンパ、卵焼きのケランマリも、子どもが手を伸ばしやすい料理です。

キムチや多くのおかずには唐辛子が入っていますが、ご飯、スープ、焼いた肉はたいてい辛くありません。迷ったら聞いてみるのが普通です。「アン メプケ ヘ ジュセヨ(辛くしないでください)」と伝えれば通じます。ただトッポッキのように辛さそのものが料理の中心の場合は、断られることもあります。そのときは別のメニューにしましょう。

お子さんに食物アレルギーがある場合は、出発前にアレルギーガイドに目を通しておいてください。包装食品のアレルギー表示の読み方はそちらで説明していますが、飲食店では、だしに使うカタクチイワシやアサリ、醤油に含まれる小麦など、見た目ではわからない材料が問題になります。アレルゲンを韓国語で書いたメモを食事のたびに見せるのが、どんなアプリよりも確実です。

食事の合間のおやつも持ち歩きたいところですが、食べる場所には注意が必要です。博物館の展示室は飲食禁止で、国立民俗博物館のこども博物館は展示室内での水も禁止。国立中央博物館のこども博物館には、持参したお弁当を食べられるランチラウンジがあります。

子どものための博物館

龍山にある国立中央博物館は常設展示が無料で、子連れへの配慮が行き届いています。グレートホールでは車いすとベビーカーを無料で借りられ(ベビーカーは体重15kgまで)、グレートホール1階には授乳室もあります。水曜と土曜は夜9時まで開いているので、雨の日の夕方の行き先にもなります。

秋の晴れた空の下、広い広場の奥に続く国立中央博物館の長い石造りの外観
龍山の国立中央博物館。常設展示は無料で、ベビーカーはグレートホールで借りられます。写真: Ethan Doyle White / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

館内のこども博物館は、主に5〜9歳を対象にした体験型の展示空間です。入場は無料ですが、オンライン予約が必要です。個人予約は訪問日の14日前の0時から受け付け、1回の予約で5人まで、1日5回、各80分の入れ替え制です。5歳未満の子どもには、大人が常に付き添わなければなりません。ひとつ大事な注意点として、2026年10月に確認した時点では、本館の案内ページに「こども博物館は12月14日まで臨時休館」とありました。予定に組み込む前に、必ず開館状況を確かめてください。

景福宮のすぐそばにある国立民俗博物館にも、無料のこども博物館があります。こちらもオンライン予約が必要ですが、予約システムは韓国語のみで、韓国の携帯電話番号を使った本人確認が前提だと、博物館自身が率直に書いています。予約できない場合は、こども博物館の案内デスクに来てほしいとのことです。子どもは必ず大人と一緒に入場し、展示室内は飲食禁止、開始時刻から30分以内に入場しないと予約は自動的に取り消されます。

3月から11月にかけては、天候が許せば屋外の遊び場が開き、チェギ(羽根けり)やコマ回し、輪回し、投壺(矢投げ)といった韓国の伝統遊びを体験できます。同じ時期にはお弁当を広げられるピクニックエリアも開きます。小学生くらいの子にとっては、ここが旅のいちばんの思い出になることも少なくありません。

漢江の公園と子ども大公園

ソウルでいちばん大きな無料の遊び場は、街の真ん中を流れる漢江です。ソウル市は川沿いに11か所の漢江公園を運営していて、それぞれに芝生や遊歩道、さまざまな施設があります。気候のいい日には、レジャーシートを広げた家族連れでいっぱいになります。夏には屋外プールや遊び場を開く公園もあり、自転車に乗れる年齢なら、長いサイクリングロードも楽しめます。

春のトゥクソム漢江公園。木陰の芝生にレジャーシートを広げて座る人たちと、その奥に見えるソウルの高層住宅
春のトゥクソム漢江公園の木陰。川沿いの芝生は誰でも無料で使えます。写真: Motoko C. K. / CC BY 4.0, via Wikimedia Commons

春と秋の週末には、ソウル市が4〜9歳の子ども向けの屋外の遊び場「ヨギジョギ・ソウル・キッズカフェ」を、8か所の漢江公園を含む30か所に開きます。2026年は4〜6月と9〜11月の開催です。定員の大半は韓国語のみの市のサイトでの事前予約ですが、一部は現地受付に残されています。天候や大気の状態によって予定が変わることがある、と市も案内しています。

広津区のソウル子ども大公園は、2006年10月から一部の有料施設を除いて入場無料になりました。園内には動物園、植物園、音楽噴水のほか、有料で予約制のソウル子ども博物館もあります。最寄りは地下鉄7号線の子ども大公園駅で、この駅にもソウル交通公社の授乳室があります。

ソウルの外に出ても、考え方は同じです。国立博物館は慶州、公州、扶余、全州などの地方都市にもあり、子どもが半額で乗れるKTXなら、家族での日帰り旅行もしやすくなります。コツは、一日一か所に絞ることです。

天気と微細粉塵

子連れで気にしたいのは、真夏の暑さと、その日その日の大気の状態です。韓国では微細粉塵(PM)の予報が毎日の等級で発表され、地元の家族も実際にそれを見て予定を変えます。市の屋外プログラムも同じで、週末のキッズカフェは天候や大気の状態で予定が変わることがあり、国立民俗博物館の屋外の遊び場は猛暑や大雪、雨の日には開きません。

ですから、毎日ひとつ屋内の候補を用意しておくと安心です。大きな博物館の多くは無料なので、予備の行き先にぴったりです。微細粉塵ガイドでは「좋음(良い)・보통(普通)・나쁨(悪い)・매우나쁨(非常に悪い)」の4段階の読み方を説明しているので、韓国語の予報でもひと目で判断できます。

子どもが体調を崩したり、けがをしたら

緊急時は、救急車・消防は119、警察は112です。韓国観光公社は、韓国語が話せない場合、電話がつながったらすぐに「English please」または「Interpreter please」と伝えるよう案内しています。専門の通訳者につないでもらえます。近くの建物の名前やスマートフォンの位置情報で、今いる場所を伝えられるようにしておくと対応が早くなります。

緊急ではないとき、たとえば薬局で症状を説明したい、子どもを診てくれる病院を探したいといった場合は、24時間対応の観光案内電話「1330」が頼りになります。普段から使い慣れた子ども用の薬を、用量のメモと一緒に持っていくこと、そして海外旅行保険が子どもの分もカバーしているかを確認しておくことも大切です。緊急連絡先と使える韓国語フレーズは緊急時ガイドに、治安全般については安全ガイドの記事にまとめています。

ペース配分:予定は思っているより少なめに

子連れのソウル旅行が楽になるか大変になるかは、ペース配分でほぼ決まります。ソウルは広く、歩く距離の多くが地下に隠れています。乗り換え一回でもそれなりに歩きますし、一日に三つのエリアを回れば、駅の中を六回歩くことになります。食事と昼寝の時間を軸にして、一日にメインはひとつ。そのほうが結果的に多くを楽しめます。

ソウル3日間のモデルコースの記事は大人向けに書いていますが、ペースを落としても成り立つ作りです。一日に回るブロックを二つから一つに減らし、漢江でのんびりする午後を足せば、子連れでも無理のない旅程になります。お子さんの年齢や日程に合わせた計画をまるごと任せたい方は、私たちのプランニングサービスもご利用ください。

しっかり準備をして来る家族にとって、韓国は過ごしやすい国です。電車は時間どおりに来て、公園は無料、子どもの運賃は安く、地下鉄でベビーカーを見かけるのも日常の風景です。予約は早めに、一日の予定は短めに。そして、博物館の外で輪回しに夢中になる一時間や、家族みんながおいしく食べられるスープとご飯の昼食のような、予定外の時間を楽しむ余白を残しておいてください。

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